イヤホンと一緒に歩んでいく

オーディオの販売員をした結果、沼に足を入れてしまった人間のブログです。今はITエンジニアをしています。オーディオやその他PC関係を中心に投稿します。

【DAP】Pioneer Private XDP-20 コンパクトでデュアルDAC搭載のハイレゾエントリーDAP!

こんばんは、むぎです。

引越しをするため、リアルが少し忙しい感じです。

まぁ、それはそれとして。
この間、e-ONKYOさんで景品があたるキャンペーンをやっていて、身内が見事に「Private XDP-20」を当てました。
せっかくなので、レビューしたいと思います。

価格.comとかでもレビューが全然ないので、参考になると嬉しいです。

XDP-20 スペック


まずは、XDP-20のスペックから見ていきましょう。

・ディスプレイ:2.4型静電容量タッチスクリーン
・内蔵ストレージ:16 GB
・拡張スロット:microSD×2、1スロット最大256GB(exFAT フォーマット)
Bluetooth®機能(コーデック):SBC
・再生対応サンプリング周波数および量子化ビット数:
2.8 / 5.6MHz Native
44.1 kHz / 48 kHz / 88.2 kHz / 96 kHz / 176.4 kHz / 192 kHz Native
16 bit / 24 bit / 32 bit
・実用最大出力:
75 mW + 75 mW(Unbalance, JEITA
150 mW + 150 mW(Balanced, JEITA
・全高調波歪率:0.006 %以下
・S / N 比:115 dB 以上
インピーダンス:16 Ω ~ 300 Ω(Unbalance) / 32 Ω ~ 600 Ω(Balanced)
・入出力端子:
2.5 mm 4極バランスヘッドホン出力(ラインアウトモード対応 / 先端から R- / R+ / L+ / L-)
3.5mm 4極アンバランスヘッドホン出力(ラインアウトモード対応 / リモコン対応)
Micro USB(充電・データ転送・USB/OTG デジタル出力兼用)
・Gain:Low / Normal / High
・再生時間:15時間FLAC 96 kHz / 24 bit、アンバランス, Wi-Fi / Bluetooth:OFF時)
・サイズ(H × W × D):98.2 x 64.5 x 16.0 mm
・質量:125 g


DACES9018C2M×2
・アンプ:SABRE 9601K×2


公式ページより
pioneer-headphones.com


デュアルDAC搭載でバランス出力可能。
DSDネイティブ再生も可能で、この辺はXDP-300Rより優れている。
サイズ感も良いし、スペック上はかなりハイスペックに感じます。






このほかに、リモコンのついているイヤホンなどで、操作が出来るようです。
これは、XDP-30Rにはありませんでしたから追加機能になります。

あとは、「radiko.jp」などのストリーミングが出来ますし、Wi-Fi経由でe-ONKYOにアクセスして楽曲のダウンロードも出来ます。
もっとも、PCで管理した方が楽だと思いますが…。


あと、これ。
公式FAQなんですが、超重要です。

Q:アンバランスのイヤホンを使う時には DACは2つ使っていますか?


A:弊社オリジナル提案のTwin DAC 構成です。 アンバランス使用時にはDAC x1+ ヘッドホンアンプ 2chの駆動になります。 バランス(BTL, ACGモード)のときに DAC x2駆動になります。


jp.pioneer-audiovisual.com


製品ページには載っていませんし、しれっと答えてますが、結構大きなポイントだと思います。
たしかFiiOのDAPとかだとアンバランス時にもデュアルDAC駆動しています。

省電力のためだと思いますが、少し残念ですね。

開封の儀


箱を開けていない状態で受け取りましたので、開封もしていきます。



外箱


薄い紙素材で、安っぽさを感じます。
XDP-300Rは厚い紙でしっかりしていたので、差別化されているようです。


audio-zk.hatenablog.com





外箱を開けたところ


外箱を開けるとすぐに本体がありました。
最近はイヤホンにしろDAPにしろ2重の箱が多かったのである意味新鮮でした笑
ウォークマンAシリーズもたしかすぐ本体がいた気がする。



付属品


付属品は、microUSBケーブル、液晶保護フィルム、説明書、保証書が入っていました。
必要最低限で、至って普通ですね。

とも思いましたが、液晶保護フィルムは珍しいですね。
海外メーカーのFiiOとかIriverだと結構普通に入っているのですが、日本メーカーってほとんど入ってないので、これは素晴らしいと思います。買ってすぐに貼ることができ、すぐに使えますからね。

外観



本体正面


一つ前のモデルにあたる「XDP-30R」とほとんど形状は変わらず、画面は小さめです。
ポタアン使うときにゴムバンドの付けられる範囲が多いので、このデザインはかなり気に入っています。AKだと本体いっぱいに画面があるので、ゴムバンドを付けると操作が難しくなってしまいます。



背面


背面は、ザ・プラスチックといった感じで剛性は無いです。
ノイズ対策として金属筺体のDAPなどがありますが、こちらは電波などの影響は出そうです。
XDP-30Rはアルミ素材だったので、一気にチープ感が増しました。



本体下部


microUSBポートのみです。



側面左側


再生ボタン各種、microSDカードスロットがあります。
SDを2枚使用できるのはいいですね。
ハイレゾを持ち運ぼうとすると100GB、200GBくらいはあっという間ですからね…。



本体上部


電源ボタン、充電LED、3.5mmジャック、2.5mmジャックがあります。



側面右側


ボリュームボタンのみです。
XDP-30Rでは、AKシリーズのようなダイヤル式のコントローラーでしたが、ボタン式になったようです。
ポケット内の誤作動などが無いので、嬉しい人には嬉しいですね。




ぼくは、XDP-300R、AK70、AK320と来ていますから、ダイヤルタイプのほうが慣れてて良いです。ただ、こちらのほうが見ないで操作しても、いくら上がったか分かりやすいので捨てがたいですね。



刻印


twin dac」と刻印されています。
ONKYO、Pioneerの機種ではおなじみですね。



左から、AK70、XDP-20、AK320



重ねてみた(横)



重ねてみた(縦)


手持ちのDAP2機種と並べてみましたが、サイズ感はZK70とほとんど同じでした。
重量はAK70のほうがだいぶズッシリしてますが、どちらもコンパクトで外で使うには丁度良いです。

厚さは、AK70よりやや厚いですが、丁度よく手に収まるので持ちやすいかと思います。
薄いスマートフォンとか落としそうになるので、このくらいの厚さがベストです。

音質


イヤホン:JH Audio ROSIE
楽曲:一度だけの恋なら/ワルキューレ(48KHz/24bit)

XDP-20設定
デジタルフィルタ:SHARP
ロックレンジアジャスト:右から2番目


アンバランスで3機種を聴き比べてみた。
イコライザは3機種ともOFF。

XDP-20は、低音が強くて良く締まっていてとても元気のあるサウンドだった。
音の分離感が良く、広がりや空間表現こそ平凡だけど、定位がしっかりしていて楽しい音だと感じた。

XDP-20の後にAK70を聴いてみると、なんだか大人しい音で上品さを感じるほど。
XDP-20の方がパンチが強くやや聴き疲れしそうな音だったが、ロックや電子音にはもってこいだと思う。

AK320は解像度・空間表現などやはり値段の違いは伊達じゃないなぁという感じで、XDP-20はデュアルDACのハイスペックDAPとはいえ上位機種には及ばなかった。


次に、バランス接続で聴いてみた。

XDP-20のバランス接続は聴いた瞬間に分かった。
ああ、これバランス専用機だな…

アンバランスとは違って、高音域がかなり前に出てきて綺麗な音になった。
アンバランスだと強いなあと思った低域も、なかなか丁度良い感じに抑えられていて、全体的な解像度が少し聴いただけで分かるほどに良くなった。
音の広がりも良くなり、ドーム球場の屋根を開けたような感じ。

AK70は、過去の記事でも書いたように、バランス接続だと線が細くなった感じがして若干息苦しさを感じる。
閉塞感を感じてしまうため苦手だ。

AK320もバランス接続の効果はそれなりに感じられ、ワルキューレのようにコーラスが多い楽曲だと、コーラス一人一人の存在感を感じられる。
音に不自然さも無いため、聴きやすくて素晴らしいと思う。

個人的な音の好みに順番を付けるとすれば、

アンバランス
AK320>AK70>XDP-20

バランス
AK320≧XDP-20>AK70

という感じになった。
AK320とXDP-20は音のキャラクターが違うため、優劣を付けにくいが、どっちもいい。
元気な曲はXDP-20だし、ゆったりめの曲はAK320だし。これは聴く曲による感じ。

あれ。
AK320と同じ土俵で話をしている。すごいかも。

気づき事項


XDP-20は一時停止の状態から、曲送り・曲戻しをすると勝手に曲が再生されます。

AKシリーズと一緒です。なので、曲頭に戻してからスリープしたい場合は、シークバーを操作する必要があります。
AKのように画面・UIが大きくないのでシークバーの操作は少し難しいです。

バランス接続時の出力が高くてキレが良くて良いです。

AK70、AK320ともにバランス接続時に音量を上げました。XDP-20は逆に下げました。

もともとバランス接続が音が細くなる傾向があるので、音量が小さめになります。
しかし、XDP-20は逆に出力が上がります。カタログスペックにもあるとおりですが、結構体感してみると素晴らしいです。

XDP-20のボタンはやや押しにくいです。

ボリュームボタンだけデザインも違いますし、押した感じも悪くないのですが、電源ボタンと操作ボタンはかなり押しにくく、クリック感が弱いです。
カチッカチッというよりポチポチといった感じで、気になる人は気になると思います。

電源ON/OFFは早いです。

初回のSD読み込みこそ結構長いものの、一度読み込み終わってしまえば、再起動とかしてもすぐ使えるようになります。
ぼくは特に気になりませんでしたし、不満にもなりにくいと思います。

レスポンスが非常に良いです。

店頭で何度か触った時は、UIもチープな感じで操作しにくいかもと思いましたが、実際にちゃんと触ってみると非常に優秀でした。
AKは「ヌルヌル」という感じで、動き自体はいいのですが反応がやや遅い感じです。
一方、XDP-20は「サクサク」で、アニメーション感がほとんどありませんが、キビキビ動くので聴きたい曲にすぐアクセスできます。

さいごに


XDP-20は買ってまでは欲しいとは全く思って無かったので、今回はすごい良い機会になりました。

SDの抜き差しとか騒音もあって、DAPの試聴を店頭ではあまりしないので、初めて聴きましたが非常に驚きました。

アンバランスしか聴かないなら、ウォークマンとかAK70とか買った方が良いです
しかし、バランスがやばい。やばいです。これ買ってバランス聴かないのは勿体ない。

ぼくだったら、構成がほとんど(まったく?)同じなので、買うならXDP-30Rを買います。値段も圧倒的に安いです。
あちらもアップデートをすれば、同じ操作感になります。

ただ、プラスチックで見た目はチープですが、持ちやすさとか手の収まりはこっちの方がいいです。
色展開から見ても、そもそものターゲットが女性の方だと思いますし、スマートフォンを使ってる人なら音量がボタンで操作できるこちらの方が使いやすいと思います。

すこし残念なのが、ケースが皮とクリアーの2種類しかないこと。
売れないからアクセサリーを出さないのか分かりませんが、かわいいケースの一つや二つ出せば、ウォークマンからだいぶ流れてくると思うんですが…。

SD2枚で500GB以上、バランス接続の音質はすごい、コンパクトで操作もしやすい。

散々言ってすみませんでした。素晴らしいです。



それでは