【レビュー】radius HP-HHR11R 低音が良い! ビックカメラ限定 ハイブリッド型イヤホン
こんばんは、mugihalです。
今回は、先日ご紹介した「ACTIVO CT10 ビッカメ娘」と一緒に福袋に入っていたイヤホン radius(ラディウス)の「HP-HHR11R」についてレビューします。
ACTIVO CT10の記事はこちら。
audio-zk.hatenablog.com
HP-HHR11Rはビックカメラグループ限定販売の商品で、10,000円以上するイヤホンです。福袋の値段が20,000円でしたので、かなりお得だったことが分かります(価値はともかくとして)。
仕様は以下の通りです。radiusのメーカーHPには、本製品の仕様ページが見つからなかったので、ビックカメラの販売ページから引用しています。なぜだ。
型番 | HPHHR11RW/K/P |
ケーブル長 | 1.2m mmcxリケーブルタイプ |
ドライバーユニット | ハイブリッド2 ウェイバランスド・アーマチュア1 基+Φ8mm ダイナミック |
出力音圧レベル | 98±2.5dB (126mV / 1kHz) |
再生周波数帯域 | 20Hz-40.000Hz |
最大入力 | 5mW |
インピーダンス | 17Ω±15% |
プラグ | Φ3.5mm 金メッキステレオミニプラグ |
付属品 | ・イヤーピース(XS、S、M、L)・イヤーフック(クリア)・ポーチ・マニュアル/ 保証書 |
メーカー発売日 | 2017年11月17日 |
1BA+1DDのハイブリッド型イヤホンです。1万円強でハイブリッドで日本メーカーってなかなか凄いスペックだと思うんですが、ビックカメラ限定っていうのが幅を狭めている感じがします。radiusのBAっていうのも珍しさがあります。
MMCXと”ナナメ”プラグ
イヤホン本体のデザインを見ていきます。
ボクが購入したカラーは白。他にもブラックとピンクがあります。
本体はマット仕上げでサラサラしています。「Ne」ロゴが書いてある部分はつるつるとシールのような感じです。
イヤーピースを装着するノズル部分は金属の網掛けが施されています。
MMCXのリケーブルに対応していて、ハウジングとケーブルに角度があるので、Westoneなどのように端子部の相性が悪いということは少なそうです。
プラグ部分は、radius製品共通の独自形状です。L字プラグは縦方向に弱いですし、ストレートプラグは横方向に弱いです。この”ナナメ”形状は結構好きなんですが、他社で見られないですね…。
低音推しの音質は上々、ビルドクオリティは…
再生環境は、以下の通り。
- プレーヤー:SONY NW-WM1A(音量:25/ハイゲイン)
手始めに「American idiot(Green Day)」を聴くと、音質の傾向としてはドンシャリ系で、いかにも”ハイブリッド”な音で楽しい印象を受けました。ツイーターとウーファーという構成のイメージで、ダイナミックドライバの低音が強い気がしました。ミドルロー辺りが特に前へ出てくる感じがして、腰が高い落ち着かない音がします。一方で、抜けが良くブーミーさはほとんど感じられず、嫌みのない低音です。
BAドライバがかなり高い音まで出ており、シャリ付きこそ感じられますが刺さるほどではなく、これは良い調整だなと思いました。価格の安い中華イヤホンのような取りあえず乗っけました感はあまりなく、オーディオ屋さんがしっかり設計している音がします。
ボーカルは少し距離がありますが、埋もれることなく聴きやすいのは、まさにハイブリッドイヤホンの特徴でしょうか。しっかりとBAの良さが出ていると思います。
低音が強いので、「FANTASTIC BABY(Bigbang)」の打ち込みドラムも、キレがあってとてもクール。この曲の低音は、”こもるイヤホン”と”抜けが良いイヤホン”の差が顕著に出ます。前者は息苦しくなり、かなり聴き疲れします。こちらのイヤホンは後者で、しつこさが無く唸るような低音に、思わず心揺さぶられます。この辺りは、"VOLT"こと同社のNHRシリーズの血が流れているような気がしました。
そして、「一度だけの恋なら(ワルキューレ)」を聴くと衝撃的でした。
左右のセパレーションが”不自然”なくらい優れています。イントロ5秒くらいでシンセサイザーが左右に振られるのですが、混じり気が全くない透明感があります。分かる方がいらっしゃるか分かりませんが、以前試聴したRoseの「BR5MK2」やWestoneの「WST-ES30」のような感じで、解像感に優れるというより、低位がビシッと決まる感じです。
解像度はそれほど高くありませんが、音楽を楽しめるリスニングチューンはクセになりそうです。特に、打ち込み系・電子音楽などのベースミュージックには相性抜群です。厚みや奥行きのある座った低音ではありませんので、オーケストラには不向きです。サウンドステージもやや狭めに感じました。
音に関しては、この値段を出す価値はアリだと思いましたが、少し気になったのはその筐体。
ステムがハウジングに対して垂直に向いているため、装着感はあまり良くなく、ボクの場合、少し浮いてしまいます。例えばSHUREとかWestoneなど、数多くのメーカーがステムを斜めにしているのに、垂直にしているのは疑問です。もちろん耳の形は千差万別ですので、この形状が合う人もいるかと思います。また、音導管の先についている網が斜めになっていたり、デザインの溝にはじめから黒いゴミのようなものが溜まっていたり、ビルドクオリティの低さが少し残念です。
ケーブルは太さも細く、柔らかいのですが巻き癖が付きやすく、取り回しはそれほど良くありません。シュア掛けしてスライダーをしっかり閉めるとタッチノイズもしなくなるので、使っていてストレスになることは無さそうです。クセの感じは、Nobunaga LabsのプレミアムモデルやZephoneのケーブルに近いです。
異常な分離感はケーブルにあった
上で、左右のセパレーションが優れていると述べましたが、驚くことにリケーブルすると印象がかなり変わりました。
手持ちの中華ケーブルの4.4mmバランスを使用してWM1Aで聴いてみたところ、”普通”というか自然な音に。どうやら、本機種で感じた分離感はケーブルから来るものでした。
試しに、SHUREのSE215で、中華ケーブルとHP-HHR11Rの付属ケーブルで聴き比べてみましたが、こちらでもハッキリと違いが分かりました。
本体パッケージや商品ページにもケーブルについて明記されていませんが、ボクが今まで聴いたケーブルで一番変化が感じられました。これまで買ってきたケーブルでは、もともと付いているものと聴き比べを2度3度して「まあ、たしかに違うか…」という事が多く、リケーブルのコスパは悪いと言われているのも納得でしたが、こちらのケーブルは、その日に元のケーブルを聴いていなくても、「全然違うな…」と間違いなく気付くレベルです。
中高域の分解能が高く、S/N比が非常に優れていて、聞こえる音と聞こえない音がはっきり分かれている印象を受けました。透明感と見晴らしの良さがあります。不自然さは少しありますが、2万以下でこんなケーブル出会ったことありません…。正直、1万円と少し払ってこのケーブル目当てでこちらのイヤホンを購入しても良いと思えるほどでした。